モールに依存せずにECサイトの強化を行おうとするEC事業者にとって、今注目すべきは、Shopify(ショッピファイ)です。
Shopifyは、拡張性やデザイン性・運用の柔軟性に優れた、EC事業者からの支持の厚い人気のECプラットフォームです。支持される理由には、操作性の良さや多彩な機能があります。また、オンラインとオフラインの連携が図りやすく、実店舗を営業している事業者がECサイトを始めやすいのも特長です。
この記事では、Shopifyとは何か?の基本から、具体的な活用法までを解説します。さらに、ECサイト運営に欠かせない在庫管理や物流管理を効率化する方法についてもご紹介します。
目次
- Shopifyとは豊富な機能を持つECプラットフォーム
- Shopifyの充実した機能を使ってできること
- Shopifyの料金プランと詳細
- Shopifyのメリット
- Shopifyのデメリット
- 【課題別】ShopifyがEC事業者の悩みをこう解決する!
- Shopifyアカウント作成からショップ公開までの流れ
- Shopifyを導入・活用した成功事例
- Shopifyと他のECプラットフォームの違い
- Shopifyの課題
- Shopifyと在庫管理システムを連携するメリット
- ShopifyとTEMPOSTARが連携|自動化の実現と効率化
- ShopifyとTEMPOSTARの連携で自社ECを強固に
- ShopifyはECサイト初心者に最適なプラットフォーム
Shopifyとは豊富な機能を持つECプラットフォーム

Shopify(ショッピファイ)は、2006年に創業した、ASP型と呼ばれるECプラットフォームです。ASP型はECサイトの業務用アプリケーションソフトウェアをネット経由で提供しています。
簡単にECサイトを開設・運営できるECプラットフォームとして、現在は170カ国以上で利用され、日本国内でも多くの企業やブランドが、Shopifyを使い自社のECサイトを運営しています。
Shopifyはウェブ制作の知識がなくても開設が可能で、一般的なECサイトに必要な機能を持つECプラットフォームです。
Shopifyはなぜ多く利用されているのか
Shopifyが多く利用されている理由は、Shopifyの機能が充実しているためです。ウェブサイト制作のスキルがなくても、直感的な作業でECサイトの開設が可能です。
サイト構築の知識が不要で、導入ハードルも高くありません。種類豊富なアプリを追加し多様なカスタマイズができるため、高い柔軟性と拡張性で自社の個性を表現したサイトが作れるのです。
加えて、自社でサーバーを持たず、ネット環境があれば始められます。Shopifyにはモバイルアプリもあり、パソコンだけでなくスマートフォンやタブレットを使い、場所に縛られず管理画面の操作が可能です。
Shopifyが特に向いているEC事業者とは?
Shopifyは小規模から中規模の事業者に適しており、ECサイトを始める際に最適なサービスが充実しています。
特に、地域特産品や限定商品など独自性のある商品展開を行っている事業者にとって、自社の世界観を表現しやすいShopifyは相性がよいでしょう。
日本独自の文化やトレンド感ある商品や、海外販売を見据えている事業者は、越境ECに強いShopifyならではの特徴を活かし、インバウンド需要を想定した商品構成にするのも適しています。
Shopifyの充実した機能を使ってできること

ShopifyでECサイトを開設するには、以下の充実した機能が活躍します。
- 直感的で、初心者でも操作しやすい
- 充実したテンプレートでECサイトの個性を出せる
- 拡張機能として用意された豊富アプリでカスタマイズできる
- 越境ECにも対応し、海外展開も可能
- 豊富な決済手段があり、実店舗との連携がとりやすい
- SNS連携で積極的な販促活動が行える
次に、機能の活用方法について、細かくみていきます。
直感的な操作画面
Shopifyの管理画面は見やすく、初心者でも直感的に操作ができるため「専門的な知識がないとできないのではないか」といった不安もありません。使いやすいインターフェースで、商品ページの作成や商品登録はもちろん、アプリ機能追加も容易に行えます。
テンプレートが充実している
Shopifyには、自社商品のテイストや機能に合ったECサイトが作れるように、あらゆる業界に対応したさまざまなテンプレートが準備されています。テンプレートテーマは、Shopify内のShopifyテーマストアで選択可能です。
各テーマには在庫数を表示できる機能や、割引表示ができる機能などが用意されているため、必要な機能に合った構成が可能です。Shopifyのサイトでは無料・有料問わず、さまざまなテイストやジャンルにも対応できるテーマを確認できます。
拡張機能として豊富なアプリが用意されている
Shopifyで制作したECサイトに専用アプリをインストールすると、ECサイトの機能拡張が可能です。
Shopifyには8000以上のアプリが用意されています。自社サイトに適したアプリを追加することで、ECサイト内の機能を拡充できるため、より高度なサービスが提供できるでしょう。
ショップのデザインや集客・顧客管理・決済・サイトの多言語化対応・SEO対策などさまざまなアプリを使って機能を追加すれば、自店のビジネスチャンスが広がります。
越境ECにも対応している
EC事業において、国境を越えて取引を行うのを越境ECと呼びます。近年、日本のEC事業で扱う商品は、海外からの注目度が高まっており、海外在住者で購入したいと考えている客層の増加とともに、越境EC市場は拡大しています。
Shopifyは世界中で利用されているECプラットフォームであり、50以上の言語や130以上の通貨サポートに対応し海外への販売も想定されています。海外配送サービスとも提携しており、国外への配送が可能です。
Managed Markets(マネージド・マーケット)と呼ばれるShopifyのサービスを利用すれば、越境ECの運用で発生する問題点について、国際マーケットごとに管理できます。
決済手段が豊富
Shopifyでは、公式決済サービスであるShopifyペイメントを登録すれば、クレジットカード・PayPal・Paidy・Amazon Payなど、さまざまな決済手段の対応が可能です。
また、実店舗を運営している事業者が、新たにShopifyでECサイトを開設する場合は、Shopify POSアプリで、店舗とオンラインの決済が一元管理できます。
SNS連携で販促活動がしやすい
ECサイトの売上向上に、SNSの活用は欠かせません。ShopifyでSNS連携の機能を活用すると、販促活動への高い効果を得られます。
基本機能にあるマーケティングプラットフォームだけでなく、SNSで宣伝販売できるサービスにMarketplace Connect(マーケットプレイス・コネクト)アプリがあります。SNSで自社の商品やサービスを宣伝し、顧客への認知度を高め、購買意欲を向上させると、自社のECサイトへ誘導しやすくなるでしょう。
インスタグラムのショッピング機能や、SNSの広告機能などを活用し、ターゲット層に直接的に訴求し購買を促進できます。SNSを活用した購入動線が作りやすいのもShopifyの強みです。
Shopifyの料金プランと詳細

Shopifyを始めるにあたって、費用や用意されている料金プランはどのようになっているのでしょうか。Shopifyには規模に応じて選択できる複数のプランが用意されています。
料金プラン | 月額費用 | クレジット手数料 | 要機能の制限 |
---|---|---|---|
Basic | 4,850円 | 3.55%~3.9% | スタッフアカウントの登録ができない |
Grow | 13,500円 | 3.4%~3.85% | スタッフアカウントの追加は5名まで |
Advanced | 58,500円 | 3.25%~3.8% | スタッフアカウントの追加は15名まで |
主要機能(チェックアウト・商品登録数無制限・テンプレートテーマ・販売チャネル・ストア分析・24時間体制サポートなど)はすべてのプランで利用可能ですが、登録できるスタッフの人数に制約があります。
取引手数料や決済手数料
Shopifyペイメントは、ShopifyでECサイトを運営する多くの事業者が選択している決済サービスです。Shopifyにアカウント登録し、管理画面で有効化するだけで利用が可能で、クレジットカード決済だけでなくApple PayやGoogle Payに対応しています。
Shopifyペイメントを利用する場合、決済手数料以外の追加料金が発生しません。コンビニ決済やスマホ決済にも対応できるようにするために、Shopify ペイメントを使わず外部決済サービスを利用する場合は、Shopifyの取引手数料に加えて外部決済サービスの手数料の両方が発生するため、その分費用がかかります。
Shopifyの料金に関する注意点
Shopifyで発生する料金の注意点は主に以下3つです。
- 各プランの月額費用以外に、決済取引手数料が発生する。
- Shopifyは海外事業者扱いとなり、消費税は課税されない。
- Shopifyのプランを変更する際は、変更した時点でそれまでの料金と変わったり、請求サイクルに影響したりする場合があるため、あらかじめ確認してから変更する。
最初にプランを決定する段階で、自社の規模に合わせたプランをきちんと見極めて利用するのが重要です。
Shopifyのメリット

Shopifyは、導入しやすい、SNSとの連携がやりやすい、アプリやテーマが豊富で自社に適したECサイトが構築できる、などメリットが多いプラットフォームです。
自社のECサイトにとって、Shopifyのどのような特徴がメリットでありデメリットであるのか、ECサイト運営への関りを精査して、導入する際の機能設定にも役立てましょう。
初心者でも始めやすい
Shopifyは、HTMLなどのサイト構築の知識がなくても作業できる仕組みになっているため、ECサイト運営の経験がない初心者でも、簡単に始められます。
開設後の管理作業においても、シンプルで直感的な操作性と、デザインテンプレートやアプリなどの充実した機能が魅力です。
SNSとの連携を始めやすい点も強みで、集客や販売促進に役立ちます。ECサイトを利用するユーザーはインスタグラムやXから来るケースも多く、SNS利用者が多い年齢層がターゲットであれば重要な要素です。
個人から企業まで使える適応性
Shopifyは、個人事業者から企業まで幅広い規模のECサイトを、低コストで構築・運営できるプラットフォームです。
個人事業主として物販や創作活動を行っている人が、ECサイト開設を検討する際、少規模でも立ち上げを実現できます。
企業が新たにEC事業を始める場合にも、低コストで始められて、初期投資のリスクを抑えられる、そして状況の変化にあわせて機能拡張を行えば事業拡大が可能です。
自社のこだわりが表現できる
ECサイト開設時に大切なのは、自社の商品やブランドイメージをしっかりアピールできるかです。
Shopifyの豊富なデザインテンプレートやアプリ機能により、自社独自のイメージを反映したECサイト構築が可能です。デザインテンプレートのテーマを選びも自由にカスタマイズできるため、こだわりの詰まったオリジナル性のあるECサイトが作れます。
デザインテンプレートは、無料でもクオリティが高く種類が豊富なため、ブランドイメージに適したテーマがきっと見つかるでしょう。
フォロー体制の良さ
Shopifyではサポートチームが24時間体制で問い合わせを受け付けています。また、直接問い合わせを行う前に、Shopifyヘルプセンターにアクセスして、項目別に不明点についてガイドを確認できます。
Shopifyには公式のShopifyパートナープログラム制度があり、事業者が困っている内容に則したパートナーにアドバイスを求められます。Shopifyのコミュニティは世界中に広がっているため、フォーラムやイベントを通じた情報交換も可能です。
Shopifyのデメリット

大小問わず事業者が手軽にスタートできるECサイトとして、メリットの多いShopifyにも、いくつかのデメリットがあります。
- プランによっては月額費用が高く、有料テーマやアプリを追加すれば費用が追加される
- 業務効率化や拡張機能の活用度合いによっては、カスタマイズに専門知識が必要なる
- 代引き配送や、地域やサイズによって複雑化する送料設定に関して、一部未対応の機能がある
- 日本語対応されていないアプリがあるため、英語表記を理解しながら操作が必要な場合がある
これらのデメリットも理解しながら、実際にShopifyの機能をどのように活用するか具体的に解説します。
【課題別】ShopifyがEC事業者の悩みをこう解決する!

ECサイト運営では、顧客にとって快適な購買環境を提供するためにおさえなくてはならない課題点が、各業務に存在します。
業務内容 | 課題点 |
---|---|
商品管理 | 簡潔な商品登録作業・商品登録情報の内容 |
注文管理 | 注文処理から発送までの作業を効率化 |
顧客管理 | 顧客情報や購買内容を整理し販売促進に活用する方法 |
動向分析 | 購入者の購買動向を、視覚的に把握できるようにする方法 |
マーケティング | 集客や購買を伸長するために効果的な方法の選定 |
Shopifyは、EC事業者がサイト構築する過程で感じる課題を解決するために、使いやすいプラットフォームを提供しています。
管理機能を使う
Shopifyの管理画面には、ECサイトで使う基本的な機能を一か所で管理できるようになっています。これらの管理機能を使いこなせれば、ECサイトに必要な項目を効率的に運用できます。
Shopifyの管理画面では、商品管理・注文管理・在庫管理・顧客管理・コンテンツ・財務・ストア分析・マーケティング・ディスカウント・販売チャネル・アプリ・設定など
が確認できます。
ECサイトの基礎となる商品管理では、基本情報の登録やオプション登録がすべて1画面で完結します。注文管理画面も同様に1画面で確認できるため、注文別のステータスもわかりやすく見られるようになっています。
顧客を管理する
顧客管理は、商品・サービスの品質向上や顧客ニーズに合わせた効果的な提案を行うために欠かせない要素です。
Shopifyの顧客管理画面では、顧客情報の一元管理ができ、購買履歴の追跡も可能です。顧客管理では、顧客層を購買内容など属性に合わせたグループに分けるセグメント機能が役立ちます。
データとしてまとめられるため、データを活用しセグメントに合ったアプローチを顧客に向けて行えば、リピーター促進の販促活動も可能です。
分析やレポートを活用する
ECサイト運営において、販売促進戦略や顧客に向けたサービスの提供の進め方を決定するのに、データ分析は非常に重要な作業です。
Shopifyのストア分析は、ECサイトの成果や傾向を総合的に評価し、レポートやライブビューといった機能で視覚的に確認できるようになっています。
レポート機能を使えば、ECサイトのパフォーマンスに関する詳細なデータが確認できます。売上傾向や人気商品、購入者の特性などを把握すれば、さらなる成果を目的とした販売戦略の考案や、在庫管理の最適化に活用可能です。
SEO・マーケティング
Shopifyには、売上を拡大するために必要なメールマガジンや広告など、マーケティングに活用できる機能が多く用意されているのも特長です。
管理画面では、コンバージョン率、平均注文金額の基本情報や、マーケティングに起因する売上やマーケティングアプリのクリック率など詳細情報も確認できます。
広告や検索流入、SNSからのアクセスや売上をデータとして確認し、期間で区切った比較検証が行えます。また、Shopifyの機能を活用し、Google広告やYouTubeを使ったマーケティング施策も可能です。
Shopifyアカウント作成からショップ公開までの流れ

Shopifyでアカウントを作成しECサイトを構築する流れを解説します。
オープンまでの平均的な期間として、ストア構築で1〜2か月、動作・運用テストで0.5か月、トータルで1.5〜2.5か月程度かかると考えましょう。
- Shopifyでアカウント登録を行う
- 管理画面から商品を登録する
- サイトデザインを変更(カスタマイズ)する
- 決済や配送方法を設定する
- お問い合わせページや特定商取引法(特商法)ページを作る
それでは、アカウント登録から解説します。
Shopifyへのアカウント登録
Shopifyのアカウント登録は以下の手順です。
- Shopifyの公式ホームページにアクセスし、無料体験を始めるをクリック。
- 指示に従って簡単なアンケートに回答。
- ID作成画面に遷移し、IDとパスワードを設定。
- ID作成が完了するとShopifyの管理画面が表示され登録完了。
IDに設定したメールアドレスに認証メールが届きます。認証すれば、登録作業は完了です。
次に販売したい商品の登録作業に移ります。
商品の登録
Shopifyに商品を登録するには、商品管理から商品を追加するを選択します。
表示された単品の登録画に、商品のタイトル・商品説明・画像・価格・在庫数などを入力しましょう。Shopifyでは、Shopify Magicのテキスト自動生成機能を使った、商品説明の作成と編集が可能です。
色やサイズなどのパターンが複数ある場合は、バリエーションセクションにパターンごとに価格や在庫などを内容を追加できます。
登録したい商品数が多い場合や、すでに商品情報がある場合は、CSVを利用しまとめて登録する方法もあります。
カスタマイズ
Shopifyのテーマストアには、HTMLやCSSなどのプログラミング知識がなくても、ECサイトに必要な機能が組み込まれたデザイン豊富なテーマが用意されています。無料テーマも多く、費用をかけずに始められます。
管理画面のオンラインストアからテーマに進んで、好きなデザインテーマを選択したり、カスタマイズしたりして、オリジナルのECサイトを構築しましょう。
商品と客層に合っているか、組み込まれている機能は望ましい内容か、運用を継続するにあたって汎用性が高いシンプルなテーマか、など方向性を意識して選定します。
配送方法や決済の設定
管理画面から配送と配達を選択し送料を決定します。送料の設定では、発送地域ごとの送料無料ラインや、北海道や沖縄には個別の送料設定を行ないます。
配送方法の選択肢が多いと、購入者により利便性のあるサービスが提供でき、購買意欲の増加にもつながるでしょう。
Shopifyの配送カスタマイズアプリを追加すれば、配送日時指定や送料に関するサービス特典の提供が可能になるなど、ユーザビリティに優れたECサイト構築が可能です。
運用開始後に注意したいトラブルや対応策
Shopifyの運用開始後に注意すべきトラブルは、セキュリティ・顧客情報管理・商品の公開設定時のトラブル・決済トラブルなどに関する点があげられます。
ECサイト運営でトラブルは起こりえます。慌てずShopifyが提供する公式ヘルプセンターやコミュニティを活用しながら対応しましょう。
日常からセキュリティ対策・顧客情報管理・商品公開した際のテスト作業など管理業務を疎かにせず、運営に携わる担当者としてサイト運営全般への理解を深める点が重要です。
Shopifyを導入・活用した成功事例

自社のECサイトでShopifyを利用し、成果を上げた企業は複数あり、参考になる事例も多く紹介されています。
Shopifyはさまざまなジャンルの企業やブランドで採用されているプラットフォームですが、相性のよいジャンルやカテゴリがあります。
今回は、食品・飲料・スイーツと、アパレル・ファッションの2つのジャンルでの成功事例をみていきましょう。
事例1 |食品・飲料・スイーツ
創業110年の老舗菓子メーカーであるカンロは、直営店を休業したのをきっかけにShopifyを導入しました。ブランドサイトとEC機能を一体化したデジタルプラットフォームを開設し、大きな成果をあげています。
次は、沖縄を代表するオリオンビールです。オリオンビールは、Shopifyで構築したECサイトを通し、沖縄のカルチャーブランドを彷彿とさせるデザインでECサイトを展開し、今では60種類以上の商品を扱っています。
事例2|アパレル・ファッション
革製品の老舗ブランド・土屋鞄製造所は、Shopifyの導入によって少人数でも柔軟にページを更新できるようになり、ブランドの世界観をしっかりと伝えられるサイトを構築しています。
ギフト需要に合わせた商品ページを工夫したり、ポップアップストアと連動してリユース製品を販売したりと、ネットとリアルを連動させたマーケティング施策を行った結果、顧客との接点が拡大しました。
若者向けファッションブランド・WEGO(ウィゴー)は、ECサイトとメディアサイトをShopifyで統合しました。これによりブログや特集記事の活用を通じて自然検索を3倍に増やし、ECサイトでの成約率の改善につなげています。
またTiKToKとの連携を行い、トレンドや顧客ニーズに合った対応を素早く行い、ブランドターゲット層の支持を集めています。
Shopifyと他のECプラットフォームの違い

ECプラットフォームとは、ECサイトで販売する土台となるシステムやサービスで、ShopifyはASP型に属します。
名称 | 導入方法 | 主なECサイト |
---|---|---|
ASP型 | クラウド上で提供 | Shopify・BASE・STORES |
オープンソース型 | 無料公開システムをインストール | EC-CUBE・Magento・WooCommerce |
パッケージ型 | パッケージを購入・専用サーバー導入 | ecbeing・EC-ORANGE・ebisumart |
モール型 | ECモールに出店、モール内店舗としてECサイトを運営 | 楽天市場・Yahoo!ショッピング・Amazon |
楽天市場・Yahoo!ショッピング・Amazonはモール型で、国内で高い利用者数を誇る代表的なプラットフォームです。
Shopifyとモール型の違い
楽天市場・Yahoo!ショッピング・Amazonはモール型と呼ばれるプラットフォームに該当します。ASP型との違いは、モール自体の集客力が最初からある点です。モール型を選択すれば、モール自体の認知度や顧客数を利用した販路拡大が可能になるでしょう。
ECサイト運営では常に課題となるセキュリティ面においても、モール型はプラットフォーム運営会社が対応するため、安心した運営が可能です。
一方、モールとしての形が完成しているため、デザインや機能の自由度はほぼありません。商品ページの仕様やデザインはプラットフォームの仕様に従う必要があり、ブランドの独自性をアピールするのは困難です。
Shopifyと他のASP型プラットフォームの違い
ASP型プラットフォームはECサイトを始めたい事業者の支持が高く、Shopify以外に、BASE・STORESなどがあります。
BASEは、初期費用・月額費用無料でECサイトを開設できるのが強みで、ASP型では国内最大級の導入実績を誇ります。
STORESでは、売上金を翌日に振り込まれるオプションサービスが提供されており、個人でECサイトを運営している場合大きな利点といえるでしょう。
一方、ShopifyはSEO対策の豊富さや越境ECに対応しているなど、ほかのASP型にはない機能が用意されています。BASEやSTORESと比べても機能が多いのが利点です。
しかし課題は存在するため、次に解説します。
Shopifyの課題

Shopifyは、低コストで多くの機能が利用できます。しかし、販路が拡大し保有在庫数が増えた場合、在庫管理の課題は必ず起きてきます。
Shopifyの在庫管理機能は拡張性が弱く、商品数が増えて倉庫を複数拠点設置した場合や、複数のECサイトの展開を検討するようになると、標準機能では在庫管理が複雑化してしまうのです。
注文増加にともなう物流・発送の複雑化
ShopifyでECサイトの運営が順調に推移し注文増加すれば、物流と発送の複雑化は避けられない課題でしょう。
発送業務や保有在庫数が増えた場合、倉庫を設置し発送作業や在庫管理を行うようになれば業務量が増え、物流や発送業務の負担も必然的に増加します。
倉庫を借りたり、作業人員を手配したりすれば、そのコストも負担になってきます。
在庫誤差や配送ミスのリスク
ECサイトの運営では規模の拡大と合わせて、在庫管理で起きる問題や配送ミスは避けては通れず、Shopifyでの運用でも同様です。
正確な在庫管理のために、エクセルなどの活用で改善を図る方法はありますが、結果的に業務負担の増加は避けられません。
遅延などの配送ミスは、顧客信頼度のリスクがあります。社内ルールの徹底で配送プロセスの最適化も可能ですが、在庫管理同様長期的な改善にはなりません。
Shopifyと在庫管理システムを連携するメリット

適切な在庫管理やミスのない配送には、リアルタイムでの在庫追跡や、定期的な在庫確認を自動で行える必要があり、在庫管理システムの導入も検討課題となります。
Shopifyと在庫管理システムを連携すると、Shopifyだけでは不足している機能を補えます。受注数が増加した段階で在庫管理システムを導入し、Shopifyと連携すれば、配送時の条件や細かい出荷要件にも対応しやすくなるでしょう。
在庫・注文情報を自動化しヒューマンエラーが減少
Shopifyと在庫管理システムの連携は、ヒューマンエラーを大幅に減少できる可能性があります。例えば、以下のような効率化や売上アップが期待できるでしょう。
- 在庫が一定数を下回ると発注が自動化される
- 在庫が不足した場合にアラートが通知され、販売ロスを防げるようになる
人員を割いて行ってきた在庫管理や注文管理に自動化の仕組みが加わると、多くのメリットが得られます。
Shopifyと複数チャネルの一元管理が可能になる
Shopifyと在庫管理システムの連携は、在庫切れを防ぎ販売機会を逃さないため売上が増え、販路拡大の可能性も広がるでしょう。ECサイトだけでなく、実店舗と在庫連動し効率的な在庫管理が実現します。
Shopify以外のECサイトを始める際に、すでに在庫管理システムを導入していれば、複数ショップの在庫状況が一元管理できて、在庫情報を共有できる体制が早期に整い安心です。
発送業務の自動化・効率化でコスト削減につながる
Shopifyと在庫管理システムを連携すると、発送業務の自動化や効率化が進みコスト削減が期待できます。また、受注管理・出荷管理・在庫管理を一元化できるため、業務負荷も軽減されるのです。これらの仕組みが自動化されれば、それらを管理する人員も、最低限のリソースで対応可能になります。
ヒューマンエラーの発生は業務負荷が要因となっている場合も多く、コスト削減とも無関係ではありません。
成長に合わせた柔軟な対応が可能になる
Shopifyで使用している機能と在庫管理システムと連携すれば、複雑な在庫管理やリアルタイムでの在庫連携が可能になり、Shopifyの不足部分をカバーできます。
複数チャネルで販売を計画する事業者にとって、Shopifyと在庫管理システムの連携はビジネスチャンスが広がるきっかけにもなります。
あらかじめ事業拡大を視野に入れて、ECサイトの開設時からどのように進めていくのか考えるとよいでしょう。
ShopifyとTEMPOSTARが連携|自動化の実現と効率化

ShopifyとTEMPOSTAR(テンポスター)を連携すると、ShopifyでECサイトを運営する際の、受注・在庫管理・出荷の業務を自動化できます。
TEMPOSTARは、Shopifyや複数店舗で販売している商品の登録業務も自動で調整・反映し、ショップごとの個別仕様にも対応しているため、作業の効率化につながるのです。
TEMPOSTARはアプリを介さず直接連携できるため、タイミングがずれる心配なく、安心して利用できます。
ShopifyとTEMPOSTARの連携で自社ECを強固に

ShopifyとTEMPOSTARの連携は、ECサイトの運営効率を大幅に向上させて、強固なECを構築できるでしょう。
- Shopifyに注文が入ると、受注内容の確認や各種メール配信、伝票処理など一括管理
- Shopifyや複数ショップで販売している同一商品の在庫数をTEMPOSTARが自動調整
- TEMPOSTARは各配送業者の送り状発行システムにも対応
- 連携しているショップの商品情報を一元管理。一度の編集で一括反映が可能
ShopifyとTEMPOSTARが連携し、かつ複数のECサイトを運営、拡大する過程でも効率的な管理が実現します。
ShopifyはECサイト初心者に最適なプラットフォーム

個人や小規模事業者にとって、Shopifyは簡単にECサイトを開設・運営できるECプラットフォームとして、非常に魅力的なサービスです。
これまで、実店舗での販売だけでなく、Shopifyを利用しECサイトを始めるのは、ビジネスチャンスが広がるきっかけにもなるでしょう。
これからECサイトを始める人や、成長段階にあるショップにこそ適したプラットフォームですが、ぜひ早い時期から一元管理システムとの連携を視野に入れて、販路の拡大に向けた取り組みも目指していきましょう。