Yahoo!ショッピングの「優良配送」は購入者にとって魅力的なアイコンですが、導入にはメリットだけでなく、デメリットも存在します。
本記事では、Yahoo!ショッピングにおける優良配送とは何か、メリット・デメリット、そして具体的な設定方法までを徹底解説します。この記事は、あなたのストアに優良配送を導入すべきかどうかの判断材料となるでしょう。
Yahoo!優良配送とは?概要を解説

Yahoo!ショッピングの「優良配送」は、Yahoo!ショッピングが定めた配送基準を満たす商品だけに表示される特別なラベルです。このラベルは、商品ページや検索結果画面などで確認することができ、配送の信頼性や迅速さをアピールする役割を果たします。優良配送ラベルを獲得するためには、複数の条件をクリアする必要があります。
ラベルは配送に関する称号
Yahoo!優良配送のラベルは、配送に関する基準が一定値以上であることを指します。具体的には、配送スピード・出荷遅延率・ストア都合キャンセル率の低さの証明です。
購入者がひと目見ただけで、安心かつ配送が早い業者だと分かるため、安心感を与え、購入の後押しにも効果的です。
また、優良配送には「翌日優良配送」と「優良配送」があります。
表示されるアイコン | 意味 |
---|---|
翌日優良配送 | 注文日の当日から翌日の間に届く |
優良配送 | 注文日の当日から翌々日の間に届く |
「優良配送」に対し、「翌日優良配送」はより早く・確実に商品を受け取りたい購入者にアピールができます。
確認は商品や検索結果のページで可能
Yahoo!優良配送の商品かどうかは、商品ページや検索結果のページで確認できます。各商品のお届け情報のそばに緑色のトラックマークが表示されるので、ひと目で分かります。
確認手順は以下の通りです。
- 商品名や関連ワードをキーワード入力欄に入力し、検索結果を表示する
- 検索結果ページで商品にラベルが表示されているかを確認する(または商品詳細ページでラベルが表示されているかを確認する)
優良配送であるとすぐに分かるので、購入者へのアピールになります。
ラベルの取得条件は所定の基準を満たすこと
Yahoo!ショッピングで優良配送のラベルを取得するには、下記の基準を満たす必要があります。
- 出荷遅延率が5%未満であること
- 直近30日出荷遅延率が2%未満であること
- ストア都合キャンセル率が2.5%未満であること
- 商品のお届け日が注文日+2日以内であること
2024年5月の改定によりガイドラインが変更され、各基準が「Yahoo!ショッピングが定める所定の基準」という表記になりました。
Yahoo!優良配送を取得するメリット5つ

Yahoo!優良配送を導入すると、検索上位表示や絞り込み対象、比較・おすすめ枠に掲載されやすくなり、優良ストア認定も受けやすくなります。
それぞれのメリットを詳しく見ていきましょう。
検索時に上位表示されやすくなる
Yahoo!ショッピングでは、優良配送の対象商品を検索結果上位に表示しやすくするアルゴリズムを導入していると公表しています。
検索結果上位に表示されることで、購入者の目に止まりやすくなり、商品ページへのアクセス増加や売上向上が期待できるでしょう。また、競合商品との差別化にもつながります。
上位表示アルゴリズムは非公開とされており、こうした事実が明言されているケースは非常に珍しいです。
商品の絞り込みにラインナップされやすくなる
Yahoo!ショッピングの検索画面は、デフォルトで優良配送の対象商品が優先的に表示されるように設定されています。ただし、対象外カテゴリの商品は異なります。
検索結果画面で優先的に上位表示されるので、購入者の目に触れる機会も増えるでしょう。
また、購入者が優良配送の対象商品のみに絞り込む機能も搭載されているので、より早く届けて欲しい購入者層にアプローチしやすくなります。
比較商品としてほかの商品のページに表示される
Yahoo!ショッピングの商品ページには、同一JANコードで登録された他店舗の商品を一覧で比較できる「他ストアでの取り扱い」機能があります。この機能では、優良配送の対象商品が目立つ位置に表示されやすく、配送スピードを重視する購入者の目に留まりやすいのが特徴です。
一度他店舗の商品ページに閲覧が移動した購入者も、優良配送アイコンなどをきっかけに自店舗の商品ページへ誘導できる可能性が高まります。これにより離脱した購入者を再び呼び戻し、購入につなげやすくなります。
優良ストア認定を受けやすくなる
Yahoo!ショッピングでは、売上規模や販売実績において一定の基準を満たしたストアは「優良ストア」として認定されます。
優良ストアになると検索結果にバッジが表示され、安心感から購入につながりやすくなります。検索上位表示や特別プロモーション参加などのメリットも魅力です。
優良ストアの認定条件として、「総合評価が12点以上」「優良ストア評価項目が5点以上」など30の評価項目があります。
そのなかでもYahoo!優良配送は認定基準の大きな比重を占めており、下記の条件を満たす必要があるので、自社で実施できているか確認しましょう。
- 優良配送注文シェア率が60%以上
- 優良配送注文シェア率50%以上かつ翌日優良配送注文シェア率15%以上
つまり、Yahoo!優良配送ラベルの獲得は、優良ストアへの近道ともいえます。
ユーザーへのおすすめ表示にラインナップしやすくなる
Yahoo!ショッピング内のレコメンド枠(おすすめ商品表示)でも、Yahoo!優良配送の対象商品は優先的に表示されます。
購入意欲の高い購入者の目に触れやすくなり、自店舗への誘導をしやすくなる点がメリットです。
特にスマートフォンでの閲覧時には視認性が高く、他商品との差別化にもつながります。
Yahoo!優良配送と他サービスを比較

近年、ECサイトにおける配送サービスは、顧客満足度を左右する重要な要素です。それぞれのモールが独自の基準や仕組みを設けており、特長にも違いがあります。
ここでは、Yahoo!ショッピングのYahoo!優良配送を、Amazonや楽天市場の配送サービスと比較しながら、その特徴と優位性を見ていきましょう。
モール | Yahoo!ショッピング | Amazon | 楽天市場 |
---|---|---|---|
サービス名称 | Yahoo!優良配送 | Amazonマケプレお急ぎ便 | Rakuten最強翌日配送 |
ストア側の設定条件 | 出荷遅延率・ストア都合キャンセル率・お届け日の基準クリア | 出品者が直接発送 | 配送スピード基準+自動判定 |
Amazon
Amazonの優良配送は一定の基準を満たしたストアの商品に付与され、検索やおすすめ枠で優遇される仕組みです。
一方、Amazonマーケットプレイスのマケプレお急ぎ便は、FBAを利用するか、自社で速やかな出荷体制を整えた出品者の商品に適用され、よりスピーディーな配送(最短当日〜翌日)が可能になります。
項目 | Yahoo!優良配送 | Amazonマケプレお急ぎ便 |
---|---|---|
配送の速さ | 優良配送:注文翌々日以内翌日優良配送:翌日配達 | お急ぎ便:最短当日 or 翌日配達 |
購入者への信頼訴求 | ストアの配送品質を示す評価指標の一つ | Amazonの配送スピード基準を満たしている証 |
Yahoo!ショッピングは「ストア全体の信頼性重視」、Amazonは「配送スピードとプライム対応の有無」のため、違いは顕著です。Amazonはよりスピード感を求めるお客様とマッチしています。
Amazon FBAやAmazonでの在庫管理について詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてみてください。


楽天
楽天市場の「最強翌日配送」は「12時までの注文で翌日配達」という明快な基準に基づき、購入者に分かりやすいスピード感をアピールできる点が特徴です。もちろん、翌日以外のお届け日時を選ぶことも可能で、到着日時を柔軟に指定できます。
さらに、購入金額が3,980円以上(沖縄・離島・一部地域においては税込9,980円以上)の場合、送料が無料になる特典もあります。
項目 | Yahoo!優良配送 | 楽天 最強翌日配送 |
---|---|---|
配送の速さ | 優良配送:注文翌々日以内 翌日優良配送:翌日配達 | 最短:注文の翌日中にお届け(12時までの注文が対象) |
購入者への信頼訴求 | ストアの配送品質を示す評価指標の一つ | 「いつ届くかが明確」で配送信頼性を視覚的に伝えられる |
優良配送は注文から指定された日数以内に商品が届く配送サービスです。翌日優良配送は「優良配送」の中でも特に、注文日の翌日に商品が届くことを保証する配送サービスです。
楽天最強翌日配送サービスや楽天スーパーロジスティクス(RSL)ついて詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてみてください。


Yahoo!優良配送に認定されるまでの流れ

Yahoo!優良配送に認定されるためには、あらかじめ設定すべき項目や、継続的な出荷実績が求められます。以下の手順に沿って準備を進めれば、スムーズに認定を目指せます。
①認定される配送スケジュールを算出する
Yahoo!ショッピングが定めるYahoo!優良配送の基準を満たす配送スケジュールを算出し、出品する商品のリードタイムを設定します。「優良配送」の条件である「注文日の当日から翌々日の間に届く」は、最短のお届け日が「注文日+2日以内」となる必要があります。詳しい設定を見てみましょう。
発送日設定 | 配送スケジュール設定 |
---|---|
0日(当日) | +0日 |
+1日 | |
+2日 | |
1日(翌日) | +0日 |
+1日 |
表に示したように「発送日設定」と「配送スケジュール設定」の組み合わせが2日以内であれば「優良配送」の条件をクリアできています。
②ストアクリエイターProで発送日の設定を行う
算出した配送スケジュールにもとづき、ストアクリエイターProで発送日の設定を行いましょう。商品ごとに設定が可能なので、注力したい商品や注文数が多い商品のリードタイムを優先的に短くして対応できます。
しかし、リードタイムの設定を誤ってしまうと、Yahoo!優良配送のラベル付与にも悪影響を及ぼす恐れがあります。現実的で無理のないスケジュールで管理することが求められます。
さらに、配送状況や受注状況に応じて定期的に見直しを行うことも重要です。
③配送のスケジュールを登録する
次に、ストアクリエイターProで、設定したい配送方法の「配送スケジュール」で「最短お届け日の設定」を行います。
Yahoo!ショッピングの最短お届け日は各都道府県に応じて設定できるため、対応できるエリアのみの設定も可能です。例えば、出荷倉庫が関東にある場合、「注文日+2日以内」にお届けができるエリアには優良配送ラベルの表示がされますが、それ以外のエリア(沖縄県や離島、北海道など)は表示されません。
商品ごと、都道府県ごとに細やかな設定が行えることが特徴です。各設定を正確に行うことはYahoo!優良配送のラベル付与においても重要な要素となります。
④土日祝のストア休業の有無を設定する
ストア休業日の設定は忘れずに行いましょう。ストアの休業日が正しく設定されていないと、休業日が考慮されない日程が「最短お届け日」として表示され、購入者との間で認識の齟齬が生まれる可能性があります。
結果として配送遅延となり、優良配送の条件である出荷遅延率にも影響します。
休業日にも出荷を行う場合は、休業日出荷設定で「ストア休業日も出荷する」を選択しましょう。また、一部の倉庫だけ休業日に出荷が可能な場合は、配送方法ごとに「ストア休業日」設定を無効化することも可能です。
⑤認定されるまで出荷を続ける
Yahoo!優良配送の認定を受けるには、安定した出荷スピードと丁寧な在庫・注文管理が欠かせません。以下の点に日々注意しながら運用していくことが大切です。
- 出荷期限の厳守:注文後は迅速に処理し、期限内に必ず出荷すること
- 正確な在庫管理:在庫切れによるキャンセルを防ぐ
- 配送業者との連携:信頼できる業者とスムーズに連携し、集荷や配送の遅延を防ぐ
- 商品情報の正確さ:誤情報はクレームや評価低下の原因に
- スタッフ教育:配送基準の共有と効率的な作業体制の整備を行う
これらを徹底することで、優良配送の維持とともに、購入者からの信頼獲得にもつながります。
導入して終わりじゃない!売上を最大化する応用戦略

Yahoo!優良配送の認定は検索上位や購入率向上が期待できますが、本当の勝負はそのあとです。配送体制整備後は、業務効率化やブランド戦略など次の一手が重要です。
以下では、優良配送の効果を最大限に活かすための実践的な応用戦略をご紹介します。
受注管理システム(OMS)と倉庫管理システム(WMS)の導入
Yahoo!優良配送を維持するには、ヒューマンエラーの防止と業務の効率化が鍵となります。そこで有効なのが、OMS(受注管理システム)やWMS(倉庫管理システム)の導入です。
これらのシステムを活用することで、注文情報の自動取り込みや在庫数のリアルタイム反映が可能になり、「出荷遅れ」や「在庫切れによるキャンセル」のリスクを大幅に低減できます。
特に複数モールで販売を行っている場合には、業務の一元化にもつながり、作業負荷の軽減にも効果が期待できるでしょう。また、システム導入によりデータ分析がしやすくなり、販売傾向の把握や改善点の発見にも役立ちます。
物流アウトソーシング(フルフィルメントサービス)の活用
出荷件数が増加してきたタイミングで検討したいのが、物流業務の外部委託です。フルフィルメントサービスを活用すれば、保管・ピッキング・梱包・出荷といった業務を専門業者に任せることができ、自社は商品開発や販促に注力できます。
特に、Yahoo!優良配送対応の物流倉庫を選ぶことで、出荷スピードや配送精度も向上し、評価の安定にも直結します。繁忙期やキャンペーン時にもスムーズな対応が可能になるため、長期的な成長戦略としても有効的です。
加えて、専門業者のノウハウを活かして業務改善を図ることも期待できます。
「配送品質」をストアの強みとして徹底的にアピール
Yahoo!優良配送に認定されていること自体が、大きな信頼の証になります。商品ページやバナー、SNSなどを通じて、「即日出荷」「最短翌日お届け」といった配送スピードを積極的に打ち出しましょう。
購入前に安心感を与えることで、購入途中の離脱を防ぎ、コンバージョン率の向上が期待できます。また、顧客レビューで配送の満足度をアピールすれば、リピート率アップにもつながるでしょう。
さらに、配送に関するQ&Aや実際の配送事例を掲載することで、より具体的な安心感を提供できるのです。
Yahoo!優良配送を最大限に活用するなら、一元管理システム「TEMPOSTAR」が鍵

Yahoo!ショッピングで売上を伸ばす上で、「優良配送」への対応は今や必須条件です。検索結果での上位表示やクリック率向上に繋がり、ユーザーからの信頼を得るための重要な要素となっています。
しかし、「当日出荷率」や「翌日配達率」といった厳しい基準を安定して維持するのは容易ではありません。特に複数ECモールを運営していると、在庫管理のズレや受注処理の遅れが頻発し、気づかぬうちに優良配送の条件から外れてしまうことも。
この課題を解決するのが、EC一元管理システム「TEMPOSTAR」です。
TEMPOSTARを導入すれば、複数モールの在庫を5分~10分間隔で自動連携。Yahoo!ショッピングでの在庫切れによる販売機会の損失や、優良配送設定の解除リスクを防ぎます。さらに、各モールからの受注情報を自動で取り込み、出荷指示までを一元管理。出荷後の追跡番号も反映されるため、手作業によるミスや時間のロスを大幅に削減できます。TEMPOSTARは、優良配送の条件(注文日+2日以内)を満たすための出荷スケジュールの調整や、土日祝の出荷対応設定も可能にし、運用を強力にサポートします。
煩雑なバックヤード業務をTEMPOSTARで自動化・効率化することで、当日出荷の締め時間にも余裕が生まれます。Yahoo!優良配送という強力な武器を安定して活用し、売上拡大を目指すなら、TEMPOSTARの導入が最適な一手となるでしょう。
Yahoo!優良配送はTEMPOSTAR導入でラクラク!

Yahoo!優良配送は、売上アップやユーザーからの信頼獲得に効果的な施策です。一方で、在庫管理や配送体制の見直しといった手間も必要になります。こうした課題をスムーズに解決できるのがTEMPOSTARです。
カテゴリごとの管理はもちろん、発注や在庫の自動化、FBAマルチチャネルを使った24時間体制の構築も可能。手間を減らしてYahoo!優良配送の基準を満たすには、こうしたツールを活用することが成功への近道です。