EC店舗で円滑な運用を行い、販売実績を確保しつつ売上を伸ばすためには「適切な在庫管理」が欠かせません。
Amazonでの店舗運営には、FBAやFBAマルチチャネルサービスなどの在庫管理の仕組みの活用が重要です。しかし、Amazon固有のサービスのため、使い方がわからない方もいるでしょう。
Amazonでは、以下の3つの方法で在庫管理を行うことが可能です。
- セラーセントラル
- セラーセントラル＋フルフィルメント by Amazon（FBA）
- セラーセントラル＋FBAマルチチャネルサービス（MCF）
本記事では、Amazonで商品を販売する際に欠かせない在庫管理について、具体的な方法とメリット・デメリットを解説します。
Amazonも対象！EC販売での在庫管理の重要性
在庫管理とは、自社が保有している商品の在庫を、必要に応じて適切に供給できるよう把握し管理する業務です。
在庫管理を徹底すると、在庫不足による販売機会の損失を防げます。また、売れ残りなどの余剰在庫による保管コストや廃棄ロスの削減が可能です。
適正な在庫を維持して販売サイクルを縮めれば、倉庫での保管期間が短くなります。在庫の鮮度や状態も、保ちやすくなるでしょう。顧客に素早く状態の良い商品を提供できれば、顧客満足度の向上も期待できます。
規模に見合った効率的な在庫管理システムの運営・維持は、Amazonで販売を行う事業者にとって重要な業務の一つといえるのです。
【在庫管理と発送】Amazonマーケットプレイスでの3つの方法
Amazonマーケットプレイスとは、出店者がAmazonのプラットフォーム内で商品の出品や販売、在庫管理を行う仕組みを指します。
店舗や商品はセラーセントラルで管理し、発送と販売業務を自社で行うか、Amazonに委託するか選べます。また、Amazon以外のECサイトの販売業務を委託したい場合、FBAマルチチャネルサービスが利用可能です。
販売方法ごとの発送と在庫管理は下表でご確認ください。
| 販売方法 | 発送業務 | 対象のECサイト | 在庫管理 |
|---|---|---|---|
| セラーセントラル | 自社倉庫 | Amazonのみ | 自社倉庫 |
| セラーセントラル ＋ フルフィルメント by Amazon（FBA） | Amazon倉庫 | Amazonのみ | 自社倉庫 もしくはAmazon倉庫 |
| セラーセントラル ＋ FBAマルチチャネルサービス（MCF） | Amazon倉庫 | Amazon以外のECサイトも対応可能 | Amazon倉庫 |
一つずつ、解説します。
在庫管理に必要なAmazonセラーセントラルとは？
Amazonセラーセントラルは、Amazonマーケットプレイス内での商品の販売に必要な機能が搭載された管理ツールです。受注処理から発送業務、在庫管理と販売におけるすべての業務をセラーセントラル内で行います。
本章では、Amazonセラーセントラルの在庫管理におけるメリットとデメリットを解説します。
- メリット｜Amazonマーケットプレイスの管理全般を行える
- デメリット｜自社で在庫管理と発送をしなくてはならない
メリットから見ていきましょう。
メリット｜マーケットプレイスの管理全般を行える
Amazonセラーセントラルでは、Amazonマーケットプレイス内の管理全般の操作が可能です。主な機能を下表にまとめました。
| メニュー | 機能 |
|---|---|
| カタログ | 商品情報の登録や修正 |
| 在庫 | 在庫の管理／商品紹介コンテンツの登録・管理 |
| 価格 | 価格設定の健全性の確認や設定作業 |
| 注文 | 注文ステータスなどの受注管理 |
| レポート | 売上や購買動向・各種レポートの確認 |
ある程度の売上規模であれば、販売と動向を管理するのにセラーセントラルで十分対応できるでしょう。
デメリット｜自社で在庫管理と発送をしなくてはならない
Amazonセラーセントラルの在庫管理は、すべて自社で行います。商品の入出庫で数量を誤って入力したり、倉庫から商品を移動したりすると、差異が発生する可能性があるので注意が必要です。
また規模が大きくなり在庫数が増えると、自社での在庫管理と発送が大きな負担になる可能性があります。顧客へのスムーズな対応や適切な在庫管理に支障をきたしかねません。
正確な動向が把握できなかったり、無駄な経費が発生したりするなど不利益が生じる恐れがあるでしょう。
在庫管理ができるフルフィルメント by Amazon（FBA）とは？
自社で行う発送や在庫管理業務の軽減策として、フルフィルメント by Amazon（FBA）が利用できます。
FBAとは、自社在庫をあらかじめAmazon倉庫に納品しておき、受注・梱包・発送・カスタマーサービス・返品対応をAmazonが代行する仕組みです。
- メリット｜在庫管理と発送をAmazonに委託できる
- デメリット｜Amazonのルールを遵守する必要がある
それでは、在庫管理におけるFBAのメリットから解説します。
メリット｜在庫管理と発送をAmazonに委託できる
規模の大きい店舗の場合、在庫管理や発送業務は大きな負担です。そのため、これらをAmazonに委託できるのは大きなメリットといえるでしょう。
FBAを利用すればAmazonプライムの対象商品になるため、商品にプライムマークが表示され、顧客から見た商品への信頼度が高まります。また、利用者がプライム会員であれば、お急ぎ便や当日お急ぎ便の配送特典を無料で提供できるのも魅力です。
自社発送からFBAへの変更は、セラーセントラル上で切り替えができます。FBA在庫が完売した場合もすぐに自社発送に切り替えられるため、販売チャンスを逃さず柔軟な選択ができるのもメリットといえるでしょう。
デメリット｜Amazonのルールを遵守する必要がある
Amazonのルールを守る必要があり一定の制約を受ける点は、FBA利用のデメリットです。
商品の梱包はAmazonの梱包要件が適用されるので、自社オリジナルの段ボールや細かいギフト対応などはできません。また、FBAで出品する商品はAmazon倉庫にすべて預ける必要があるため、商品の破損や紛失のリスクも生じてしまうでしょう。自社の商品状態を確認したい場合でも、取り寄せるには手数料が必要です。
FBAマルチチャネルサービスも在庫管理には適している
Amazon在庫管理の方法の3つめが、FBAマルチチャネルサービスです。
FBAにあるサービスの一つで、Amazon以外のモール（楽天・yahooショッピングなど）に出品している商品の管理・発送を代行します。複数のECサイトを運営する店舗にとっては非常に柔軟性が高く、効率的な物流サービスといえるでしょう。
- メリット｜複数のECショップの在庫を一元管理できる
- デメリット｜小型商品には不向き
メリットから見ていきましょう。
メリット｜複数のECショップの在庫を一元管理できる
FBAマルチチャネルサービスは、さまざまな販売経路からの注文を一元管理できる点が最大のメリットです。
発送業務を代行してもらうために必要な手数料もほかの業者よりも安く設定されています。また、Amazon以外のEC店舗の発送業務も委託できるため、Amazon倉庫に在庫を集約可能です。
自社の物流を集約すれば管理しやすくなり、販売規模の拡大に伴って増える物流コストの削減が見込めます。また、即日発送が可能になるため、注文数の増加などが期待できるでしょう。
デメリット｜小型商品には不向き
小型の商品を取り扱う店舗には、FBAマルチチャネルサービスは不向きといえます。配送料がやや高く設定されており、定形外郵便やクリックポストなどを利用したい小型商品の場合、送料が高くなってしまうためです。
また、配送業者が選べないため、出荷した配送業者を確認するまでに時間がかかる傾向にあります。そのため、お客さまに配送問い合わせ番号をすぐに連絡できないといった不便が生じてしまうでしょう。
Amazon在庫管理の運用事例を紹介
Amazonマーケットプレイスに出品する店舗の多くは、商品数や規模に応じたサービスを利用しています。本章では、FBAとFBAマルチチャネルサービスの活用実例を見ていきましょう。
【A社】
Amazon倉庫の商品受け入れには時間がかかるため、商品をAmazon倉庫に集約せず自社倉庫にも保有しています。Amazon側で欠品した場合、自社発送に迅速に切り替えて販売ロスを防いでいます。
【B社】
オンライン販売をFBAマルチチャネルに一本化し、月1万件規模の出荷を完全自動化しました。そのため、EC運営にかかるリソースの削減に成功しています。
確実で効率的な在庫管理を行うには？
現在、EC店舗の運営において複数モールへの出店は一般的です。なかでも、Amazonの販売力強化は、EC事業に注力している事業者にとって大きな成長につながる可能性があります。
複数店舗の効率的な運営には、在庫管理システムの導入による在庫管理の一元化を検討してみるのも効果的です。
データを一元管理すれば、在庫管理に関わる業務の効率化が図れます。加えて、データを活用すれば、季節や時期に応じた需要予測から発注量のコントロールも容易になるため、適切な販売チャンスを見逃さず運営が可能になるでしょう。
Amazonと連携できるEC一元管理システムを活用しよう
効率的なEC店舗の運営には、在庫管理は重要な課題です。
在庫管理の運用に最適な在庫管理システムの導入は、業務の効率化には必須ともいえるでしょう。それには、EC一元管理システムの導入は非常に有効な手段といえます。
EC一元管理システム導入には、特に以下のメリットが期待できます。
- 在庫管理や受注管理、商品管理にかかるコスト削減
- 重要な業務へのリソースの集中
- 自動化による人的ミスの予防
- 複数店舗の販売データの集約と活用
また、EC担当者のバックヤード業務負担が軽減されるのも大きなメリットです。在庫管理や受注管理、商品管理に関わる作業時間が短縮できれば、コスト削減だけでなく、新たな企画立案・改善の機会創出にもつながります。
EC一元管理システムのTEMPOSTAR（テンポスター）ならAmazon FBAマルチチャネルとの自動連携を標準提供！
- モール・本店の24時間365日自動出荷を実現できます！
- 複数出荷元での運営に対応！自社オフィスや自社倉庫の在庫も同時に販売できます。
TEMPOSTAR x Amazon FBAマルチチャネルサービスの連携について
EC一元管理システムとしてTEMPOSTAR（テンポスター）を利用するメリット
EC運営を行うショップは、Amazonだけでなく楽天市場やYahoo!ショッピングなど複数出店しているケースが多いため、在庫管理や受注・発送などの運用もより複雑になっています。
そのため「複数ネットショップ一元管理システム」の導入と活用を検討してみましょう。
複数EC店舗の運営に必要な機能をすべて備えており、カスタマイズ性の高い一元管理システムにTEMPOSTAR（テンポスター）があります。
TEMPOSTARは、ASPでありながらカスタマイズもできるのが大きな特徴です。EC事業規模が小さい段階では基本機能で運用し、事業が拡大した際にはカスタマイズ対応が可能なため、事業の成長にあわせた拡張対応もでき、システムを乗り換えること無く継続して利用が可能なシステムとなります。
ユーザーのEC事業とともに進化していくため、他システムへの乗り換え不要で長期に渡り利用が可能です。
Amazonでの販売力強化には在庫管理が重要
マーケットプレイス内のAmazon在庫管理の方法は、セラーセントラル・FBA・FBAマルチチャネルサービスの3つです。
Amazonでの販売力強化を目指すには、効率的な在庫管理が欠かせません。特に複数EC店舗を運用する場合、TEMPOSTAR（テンポスター）のような一元管理システムの導入には多くのメリットがあります。自社のEC運営に最適なツールを選択してみてください。
