ソサイアティ&ソル(SOCIETY & SOL 03)様(株式会社鶴月・社中)
主にスノーボードを扱う実店舗をオープンしてから約15年、実店舗を着実に増やし現在は「牛久本店」「マインド水戸店」「宇都宮店」の3店舗まで展開。更にはサマーゲレンデの運営など、様々なチャネルでお客様との接点を広げている株式会社鶴月・社中様。しかし、ここまでの成功にたどり着くまでには様々な苦労の経験も多いという。
今回はそんな苦労時代にどんな課題を持ち、どう乗り越え、そして今の成功へとたどり着くまでにTEMPOSTARをどのように活用してきたのかを牛久本店マネージャの関口様に詳しく伺った。
POINT
- ブランディングが難しいモールでも、実店舗への流動ができた
- スタッフへの負担削減で、守りの販売から攻めの販売へ
- 在庫を把握することで、実店舗間における在庫リスク分散が可能に
実店舗からECへの参入という大きな決断をされたのはなぜですか?
時代の流れをしっかり読みとり、先を見越した経営
元々プロのスノーボーダーだったオーナーが、実店舗をオープンさせたのが大体2001年頃です。その当時の時代の流れを読んで、「これからは実店舗だけでなくECも必要だ。」と次のビジネスチャンスを広げる経営方針を打ち出しました。そして2004年頃からYahoo!オークションを皮切りに、ECへと参入しました。現在Yahoo!オークション店は一時閉店をしていますが、当時のYahoo!オークションは、サービスが始まって間もなかったこともあり、消費者に注目されていてとても賑わっていました。さらに手数料などの出品者への負担が少なく、まだ比較的個人の出品者が少ない状態で、「通販といえばYahoo!オークション」というイメージが強い時代でした。
しかし、オークションという販売方法では、正規品であっても安心感を持っていただきづらかったり、ブランディングが難しかったりという点では苦労をしました。やはり正規品を扱っているという点においては、しっかりと商品を直接手にとって確かめていただける実店舗の方がEC店舗よりも優位なのは確かでした。ですがその後も販売路拡大という経営テーマに基づいて、2007年には楽天に出店し、その後Yahoo!ショッピングへと出店モールを増やしていきました。
実店舗とEC店舗で何か違いは感じましたか?
お互いの凹みを補完しあっている
やはり実店舗だと商品を直接見て触っていただけるので、安心感を持ってお買い物ができる反面、その実店舗の近隣の地域など限られた地域の方々にしかご来店していただけないという制限があります。
ご来店される方々は、ゲレンデへの移動にも慣れていて比較的フットワークの軽い方が多いのですが、それでも限界はありました。また専門のショップというと敷居が高いイメージが強く初心者の方は入店を躊躇される場合もあり、そういった点でも実店舗だからこその課題点もありましたね。
しかし、逆にEC店舗であれば、地域を問わず全国の方に向けて販売できるのが、一番の強みです。ECを始めた当初、「実店舗からEC店舗へお客様が流れてしまうかもしれない」ということを危惧していました。
しかし、実際に運営してみて分かったのは、EC店舗から実店舗に来てくださる方が想像以上に多かったということです。これは、驚きと同時にとても嬉しかったですね。他にも、メンテナンスや商品に何かトラブルあったときに直接足を運んでいただける場所(実店舗)があるというのは、EC店舗だけの運営よりも大きな強みだと思っています。
TEMPOSTAR導入を決めた理由は?
販売路拡大に伴って生じた課題
Yahoo!オークションへの出店後は楽天、そしてYahoo!ショッピングと順調に出店モールを増やしていきました。当時は人海戦術でなんとかなっていたのでシステム導入までには至りませんでしたが、実はYahoo!オークション1店舗だけの時から、実店舗とEC店舗の在庫調整に悩まされていました。
1番大変だったのは、3店舗目となるYahoo!ショッピングに出店して、最初の繁忙期を迎えたときですね。弊社の特徴として、幅広いラインナップを少数ずつ取り揃えて販売しているので、基本的には個々の商品の在庫は多く持ちません。そのため多店舗での販売となると売り越しのリスクがあるので、在庫1つを予備としてキープしつつ、機会損失と引き換えに売り越しを防ぐ、という守りの姿勢で販売をしていました。しかし、ネットとリアルの在庫調整は実店舗の営業終了後に手動で行っていたため、どうしても追いつくことができず毎日1件ずつくらい常に売り越しが発生している状態でした。
最悪な状態から打破
売り越しは、お店の信頼を著しく下げてしまいますし、もちろんリピートにも繋がりません。さらに、謝罪のご連絡などの対応に時間を多く取られ、且つスタッフのモチベーションが下がってしまい、さらにそのモチベーションから別の作業でのヒューマンエラーにも繋がるという悪循環が生じていて、最悪な状態でした。
他にも課題は山積みの状態でした。当時の商品登録は、楽天のRMS内にある商品情報をひとつひとつ他の店舗へコピー&ペーストして作成していたのですが、商品名や価格を打ち間違えるなど単純なミスも多発していました。商品数も多かったので、担当者が1日中ずっと作業していても登録が終わらない、という状況がシーズンの間ずっと続いていました。
Yahoo!ショッピングに出店する前までは、人海戦術でなんとかなっていたのですが、どうにも運営が回らないことを痛感し、シーズンが終わってからすぐにシステム導入の検討を始めました。
最初に少し利用してみて当社の運用と合わなかったら、他のシステムを探して乗り換えようと思っていたので、費用面で比較検討した結果、TEMPOSTARなら初期費用が一切掛からず月額費用も1万円からなので、コストを圧倒的に抑えてスタートでき、さらに利用している店舗の数と実績も豊富で安心できたので導入を決めました。
TEMPOSTARを導入したことによって課題解決に繋がりましたか?
倍以上の処理スピードに
まず、商品登録がとても楽になりました。導入前は楽天とYahoo!ショッピングの管理画面を両方開いて、商品情報をひとつひとつコピー&ペーストをするという作業を行っていましたが、TEMPOSTARを導入したことによって、1つの管理画面の中ですべて行えるようになりました。これによって商品登録に掛かっていた時間が半分になり、時間を大幅に短縮できたことで、今までは出品できなかった商品も登録できるようになったので結果として出品数がかなり増えました。
また商品名や、商品情報の編集も複数モール一括で反映できるのでとても便利です。今までは、モール側の管理画面を開いて編集という流れでしたが、TEMPOSTARでは1つの画面で商品名などを変更してすべてのモールに一括で反映できるので、企画立案から実施まで迅速に対応できるようになりました。
守りの運営から、攻めの企画・販売ができるように
導入前は実店舗の営業終了後にEC店舗の在庫調整をしていたので、複数ある実店舗とネットショップ間においてリアルタイムでの在庫連携ができていませんでした。また、おおよその在庫数を把握するために、全体の約半数の商品を本店に集中させていました。結果、実店舗においては、本店と支店でそれぞれ在庫リスクと機会損失の問題を抱え、ネットショップにおいては、実店舗で既に販売済みの商品が売れて売り越しが生じるという2つの大きな課題に直面していました。 そういった状況の中、TEMPOSTARを導入したことによって各店頭でもリアルタイムで最新の在庫数が確認・管理できるようになり、実店舗・EC店舗共に売り越しが発生しなくなりました。
また実店舗は立地によって売れ筋商品に違いがあるのですが、全体の在庫を管理できるようになったことで、その店舗の特性に合わせた商品の振り分けも行えるようになり、結果として本店に集中させていた在庫も適正に分配できるようになりました。
このようにTEMPOSTARで在庫が自動連携されたことで、今までの運営課題点を一気に解消することができ、次のステップへと大きく踏みだすきっかけになりました。
今までは、売り越しが発生したらどうしよう・・・。という不安と、実際に売り越しが発生してしまったときの気分の落ち込みが業務に支障をきたすほどでしたが、それが解消されたことによってすべての課題が解決され、同時にスタッフの精神的な負担も減らすことができたので本当によかったです。
導入前は売り越しやクレームが出ないようにすることを1番の優先事項としていたので、言わば「守りの運営」だったのが、TEMPOSTARを導入したことによってその不安が無くなり、「プレゼント企画やセールをどんどんやろう!」といった、自分たちからお客様にアクションを起こせる「攻めの運営」ができるようになりました。
TEMPOSTARは実店舗とEC店舗をつなぐ重要なチャネル
そもそもTEMPOSTARの導入を決定したのは、EC店舗運営の効率化のためでしたが、利用しているうちにPOSのような使い方もできることに気付きました。要は実店舗とEC店舗を繋いでくれるツールでもあったんです。
導入前の在庫数を変更したいときは、複数のネットショップそれぞれの管理画面に入っての作業が必要だったので1商品あたり最低5分以上の時間が掛かり接客を優先する実店舗では対応が難しく、どうしても営業後の作業になっていました。しかし、TEMPOSTARであれば該当の商品を検索して1箇所だけ変更すれば、各モールの在庫数が一括で更新できるので、レジの横にあるPCから1分も掛からないうちに対応できます。POSのようにお店の倉庫のような感覚で全商品の状態と在庫をひと目で確認共有できるようになりました。
これにより、それぞれの実店舗からも商品の在庫情報を全体的にリアルタイムでチェックすることができ、かつその店舗に在庫がなくても他店にある商品を確保することができるようになりました。
今後はどのような形でTEMPOSTARを使いこなしていきたいですか?
さらにTEMPOSTARを使いこなす
実は当社では、TEMPOSTARの機能をまだ10%も使っていないと思うんです。しかし10%の機能だけでも、今までは参加できなかったモール側からの突発的な企画に迅速に対応できるようになり、自分たちから企画を考えて積極的に販促に注力することができるようになるなど十分効果は得られました。残りの90%を使いこなせればもっとできることはあるはずで、さらに攻めの販売ができると確信しています。
また、操作で分からないときなどは、カスタマーサポートのスタッフにメールか電話で問合せをすればすぐに回答してくれますし、「こういった方法はどうですか?」と運用面での提案もしてくれるので、安心と信頼感を持って利用しています。
より広く販売販路を広げ、多くの場所に商品を出品
運営に関しては、オーナーの思いでもある「1つの商品をよりたくさんの場所で同時に売る」ということを実現させたいですね。今の当社においてはTEMPOSTARが運営の中心になっているので、全スタッフが出品・在庫管理におけるTEMPOSTARの基本操作を習得しています。こうして「どの店舗でも商品が売れる環境」ができ上がりつつあるので、今後はさらに販路を広げていきたいです。
TEMPOSTARで実現できたこと
- 在庫自動連携による業務負荷激減
- 売り越しとクレームが激減しスタッフの業務軽減とモチベーションUP
- 守りの販売スタイルから攻めの販売スタイルに進化
- 実店舗とEC店舗をつなぐチャネルができた
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