セレクション様(株式会社セレクション・インターナショナル)
アメリカンスポーツ(MLB・NBA・NFL・NHLなど)のグッズやアパレルを販売されている株式会社セレクション・インターナショナル様。
専門店ならではの圧倒的な品揃えと知識豊富なスタッフを誇り、東京(西新宿)と大阪(心斎橋)にある実店舗へは全国各地からコアなスポーツファンのお客様が数多く来店され最近では海外からのお客様も増えているという。
365日営業で、同時にネットショップは11店舗も運営されており、毎日膨大な業務が発生してもTEMPOSTARで効率的に運営していることによって時間の確保がしっかりとできているとのこと。今回はそんなセレクション・インターナショナル様にTEMPOSTAR導入の背景と導入後の変化や効果について伺った。
POINT
- バラバラだった商品情報を1ヶ月かけて統一
- 11店舗の同時運営でもシステム化によりリソースを確保
- モールと自社ECサイトの差別化
システム導入前はどのような運営だったのですか?
アナログ管理による非効率とミスが多発
私が入社した2010年当時、ネットショップはまだ4店舗のみで8人のスタッフで運営していました。しかも、行き当たりばったりでEC参入をはじめたような感じで商品コードは統一性が無く全てバラバラ、在庫は1つ1つ手動で調整、そして受注は各モールからCSVを出してExcelに転記してピッキングするというアナログかつ非効率な運営でした。
また、スポーツアパレルという商材柄、商品点数もSKU数も膨大なので出品に関してはスタッフ総出で商品登録業務をしても追いつかず、各メーカーから送られてきた商品マスターのうち、4,000アイテムほどが出品できないまま次のシーズンを迎えるという大きな販売機会ロスが発生していました。
ピッキング作業に関しても長年務めているスタッフの感覚頼りで、そのスタッフがいなくなってしまったらどこに何があるのか分からないような状況でした。結果、商品登録時のミスは多発、売り越しや誤配送だらけという状況でした。当時はまだ1日の受注件数が60件程度だったのですが、なるべく早い段階で運用ルールを整えておかないと後々さらに大変になることは目に見えていました。
ECの業界はどこも人手不足。利益を上げるためには運営の効率化が必須
ECの運営って想像以上に業務量が多いんですよね。だからこそ、人手や時間を確保するためにも業務の効率化は必要不可欠なんです。特に手間の掛かる「商品登録」・「在庫管理」・「受注管理」、この3つの業務をいかに効率化できるかが肝で、時間が確保できたら今度はいかに利益率を上げる施策を考え実施していくかが重要だと思います。なので、まずは現状の業務効率を上げようと思いシステム導入を検討し始めました。
システム化に踏み切る際、他のスタッフの反応はいかがでしたか?
社内スタッフの説得に3ヶ月
当初は全スタッフから反対されました(笑)。「アナログながらも管理はできているんだから、現状のままでいいじゃないか!」というのが大半の意見でした。なので業務ごとの各スタッフ、上司、そして最終的には社長と、社内の説得に3ヶ月も掛かりました。今後の会社の成長のためには、絶対にシステム化が必要だと強く感じていたので粘り強く段階的に説得していきました。まずは社内の中でも比較的リテラシーの高い人から説得し、少しずつ味方を増やしていきつつ最終的には自ら社長にデモンストレーションをして認めてもらいました。
また一度にすべての業務をシステム化したのではなく、まずは「商品管理機能」と「在庫管理機能」、それが整ってから「受注管理機能」というように段階的に導入しました。特に受注業務は自身の管轄外でもありベテランスタッフからの反発がより強かったのですが、まずはCSVの入出力だけ、次はメールの一括送信というように少しずつ慣れてもらって便利さを実感してもらいながら対応範囲を広げていきました。
バラバラだった商品情報を1ヶ月かけて全て統一
社内の説得作業を進めつつ、私はそれまでバラバラだった商品コードの付け方をルール化し全商品に振り直しをしました。そのためモールに出品していた商品は一旦全て削除して再出品しました。全ての採番が終わるまでに1ヶ月程かかりましたが、後の運用を考えると絶対に必要な作業だったので思い切ってやって良かったと思っています。
他にもシステム化したことによって変化があったのはスタッフの採用面ですね。今までの採用基準にプラスして、TEMPOSTARのようなシステムも抵抗なく使えるという点も重視するようになりました。採用のハードルは少し高くなりましたが、その分優秀な人材が増えました。今までは私がメインで対応していた商品マスターとなるCSVデータの編集なども、他のスタッフに任せられるようになり、彼らにとって成長に繋がるチャンスも増えたと思います。結果的には1つのことだけでなく様々な業務に対応できる人材が増えたと同時に、スタッフのモチベーションも上がってきましたね。
導入後はどのような効果・変化を感じられましたか?
リソースの大幅削減と商品登録のミスが0に
あんなに反対されていたシステム導入でしたが、スタッフ全員が喜んだのが在庫管理ですね。いままで商品名も商品コードもバラバラの状態から1点1点手動で在庫の調整をしていたので、複数のネットショップ間で自動連携できたときは「何もしなくても全店舗の在庫数が揃ってる!」とみんな大喜びでした(笑)。それにより、社内スタッフのリソースが大幅に削減できて違う作業をお願いできるようになりました。商品登録の作業もシステム導入前はヒューマンエラーが多発していて、販売価格を間違えるなど致命的なミスも多々あったのですが、導入後は0になりました。
新店舗出店のハードルが大幅に下がった
会社全体の運営として変化したこととしては、ネットショップの店舗を増やすことに抵抗がなくなったことと、実績が見えない新しいモールでも「とりあえず出してみよう!」と、迷わず行動に移せる余裕が生まれたことですね。Amazonもそのひとつで、当時はまだ本やDVDの販売がメインの中、アパレルが売れるのかどうか未知数だったのですが思い切って出店して良かったです。今ではモール売上の約3割をAmazonが占めるまでに成長しています。店舗数を増やせば増やすほど売上が上がったので、市場とニーズに合わせて気軽に出店をし続けていたら今のように11店舗にまでなりました。
また、その頃たまたまスタッフ4名が同じタイミングで退職するという事態が起きたのですが、全体の業務に大きな支障はなく乗り切ることができたのはTEMPOSTARの導入とともに業務をフロー化してシステム化できていたからこそだと思っています。
自社サイトも運営されていますがモールとはどのように役割を変えているのですか?
TEMPOSTARで効率化し、空いた時間でCARTSTAR(自社ECサイト)の戦略作り
そもそもTEMPOSTARを導入した理由の1つに、「自社ECサイトの運用に注力したい」という想いがありました。そのためにもまずは現状業務の効率化が必要で、かつモールで売上のベースを作って、最終的には自社ECサイト運用分のリソースを確保するというのが理想の流れだと思っています。実際にTEMPOSTARで効率化できたことにより、空いた時間を自社ECサイトの作り込みや実店鋪と連動した企画立案に充て、ファンを作るための運営に注力できています。
自社ECサイトでは、実店舗でお買物していただいたお客様の記念スナップや店舗ブログを掲載するなどお客様とのコミュニケーションを強化することでモールとの差別化を図っています。CARTSTARはやりたいことがすべて実現できる自由度の高さがあるので、EC店舗と実店舗間でのオムニチャネル戦略が進めやすくなりました。実際に、普段はネットショップで購入されているお客様がゴールデンウィークなどの長期休暇を利用して実店舗に足を運んでくださったり、逆に観光のついでに実店舗へ来られた遠方のお客様が、その後ネットショップでリピートしてくださったりするパターンも増えてきています。
今現在、システム導入を検討している方にアドバイスがあればお願いします。
一元管理システム(TEMPOSTAR)を検討している方へ
今までの当たり前のようにやってきた業務フローが、システム導入によって大きく変化することに対して不安を感じる方もいらっしゃると思います。ですが、ますます競争が激化するEC業界で勝ち残っていくためには、どこかでシステム化に踏み切る必要があると思います。業務効率化とその後の成長のためにも、思い切る覚悟としっかり行動に移すことが重要で、渋ったり・悩んだりしている間にも周りの競合がどんどん先へ進んでいることを忘れないで欲しいと思います。
TEMPOSTARで実現できたこと
- ジョブローテーションによる社内活性化
- 確保できたリソースで自社ECサイト運用に注力し利益率アップ
- EC店舗を増やすハードルが大幅に下がった
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